鴎友学園女子中学高校のアクティブラーニング

「新女子御三家」とも呼ばれる中高一貫の女子校、鴎友学園女子中学高校(東京都世田谷区)。1980年代に偏差値38にまで低迷した女子校は、東京大学など難関大学に次々合格する進学校に変身した。詰め込み型の受験教育を否定し、とにかく活発なアクティブラーニング(能動的な学習)を推進、「自己肯定」型の女性を育成する鴎友。

 

 

小田急線の経堂駅から徒歩10分、世田谷の閑静な住宅街にある鴎友。校舎の中の実験室に入ると、いきなり女子生徒の歓声が聞こえた。実験の対象としているのはミミズだ。吉野明校長は「カエルや魚の解剖も随時やります。実は中学1年生の時は理科は生物の授業しかやりません」という。

カエルの解剖もよく行う=鴎友学園提供

 なぜ生物なのか。吉野校長は、10歳以降になると、男子と女子はそれぞれ理数系と言語系で発達段階に違いがでてくるためという。「理数系では、男子の方が女子よりも先に頭の中で抽象化できるようになるというか、具体的な事例をイメージしなくても理解度が増す傾向にある。例えば、お使いで100円のリンゴを3個買いましたとか、小学校の低学年までは、算数は具体的な例をだしながら授業を展開しますが、高学年になると、もっと抽象化した分数や比、割合が問題に出てくる。そこで行き詰まるのは男子より女子の方が多い。

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逆に言語系は女子の方が男子よりも早く発達する傾向にある。理系は苦手という意識を持ったまま中学に入学してくる女子生徒がいる。そこで観察や実験など目に見える、生物を主体にして、まず理科嫌いをなくしていこうとしているわけです」と吉野校長は話す。